白いかぶせもの

虫歯のつめものやかぶせものには、銀の合金で作られた「銀歯」が広く使われてきました。

しかし、銀歯は日常生活での不自由はないものの、自然な歯の色とは全く違う色のため目立ちやすく、長期間使用していると変色・腐食したり、歯ぐきが黒ずんでくることもあります。
また、金属アレルギーの心配もあります。

そこで、金合金やセラミックスなど、銀以外の材料を使った治療をおすすめすることがあります。
以下に各材料の特徴を示しました。治療の際の参考にしてください。

かぶせものの材料

オールセラミックス

ジルコニアというセラミックス(陶材)のみを使用したつめもの・かぶせものです。

ジルコニアは従来のセラミックスの15倍の強度を持つ、丈夫で長持ちする素材です。機械で削り出すため精密さも合わせ持っています。
金属と違い、光を反射させる白さあふれる素材です。このジルコニアをベースにセラミックを焼き付けることで、自然な美しい白さを再現できます。
生体親和性が高く、金属も使用しないためアレルギーの心配もありません。
また、薄くしても強度が高いため、健康な部分の歯質を削る量が従来よりも少なくてすみます。

ジルコニアブリッジ     金属ベースのブリッジ
金属ベースのブリッジ(右)よりも、ジルコニアベース(左)のほうが明るくなります。

・美しく白い歯
・からだに優しい歯
・丈夫で長持ちする歯

このすべてを併せ持つのがジルコニアクラウン・ブリッジです。

口腔内にセットしたジルコニアブリッジ
口腔内にセットしても目立ちません。

 

ハイブリッド・セラミックス

ハイブリッド・セラミックス

セラミックとプラスチックを混ぜた材料です。
セラミックのみの冠などと比べると多少色調が劣りますが、自然に近い白さが再現できます。
長期間使用することで変色したり、割れることがあります。

 

※写真は金属の上に焼き付けたものです。金属アレルギーが心配な患者様には、金属を使わないでつくる方法もあります。

 

セラミックスと合金のかぶせもの

金属の上にセラミックを焼き付けたかぶせものです。
セラミックのみの冠ほどではないものの、自然に近い白さが再現できます。
セラミックスの部分は、割れることがあります。

レジン(プラスチック)と銀歯のかぶせもの

銀歯の表面にレジン加工をしてあり、前歯は保険が適用になりますが、奥歯は保険適用外です。
色調が単調なため、自然な色に合わせることが難しい場合があります。
レジンが水分を吸収し、長期の使用で変色したり、歯ぐきが黒ずむことがあります。
また、長年の使用でレジン部分がすり減り、金属が見えてくることがあります。

金合金

通常の銀歯よりも金の含有量が多いつめもの・かぶせもの(いわゆる金歯)です。
銀歯に比べると金属アレルギーになりにくく、硬さが天然歯に近いことが特徴です。
ただし、見た目は金属なので、セラミックスなどと比べると審美性が劣ります。